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筆一本の技

日本では、誰もが小学校でお習字を習い、また、年の初め(1月2日)に書き初めという行事を行う。
私自身、小学校3年生〜6年生までの3年間、学校以外で近所の書道教室に通った。
課題を提出し、級や段を積み重ね、それが子供にとっての自慢できる資格であった。
しかし、大人になった今、もはや墨を擦る機会はもちろん、筆を使う機会もなくなってしまった。

そんな日本の伝統を家族4人で守り、筆一本で、文字の一つ一つで美を表現する家族がいた。
今回は、書の世界を提案するSHOP&GALLERY曹に行ってきた。

家族全員で和を創る

SHOP&GALLERY曹は、調布市八雲台の住宅街の中にある。
洋風な家が多い現代の日本の住宅街の中で、和風のたたずまいをしたSHOP&GALLERY曹は、逆行した時間と異種の空間をつくっていた。
ギャラリーに入ると、シンプルなモダン様式の内装の中で、作品の一つ一つが和の空間をデザインしていた。


「うちの作品は渋いですよ」

オーナーの植木曹太さんは言う。
数々の作品を見せて頂く。
代表的なものには、日生劇場公演「風林火山」の題字や、台北シャングリラホテルのレストランサントリーの壁書ディスプレイなどがある。
その他の作品の中に、企業向けであればお蕎麦屋さん、焼肉店、居酒屋などのディスプレイや看板、納豆や焼酎のパッケージ、個人向けであれば表札の名入れなどと幅広く手がけている。
確かに、渋い!そして、力強い!
だが、それでいてどこか穏やかで暖かみのある作品だ。
「曹でざいん」のコンセプトは「暮らし×和」
私は、作品の中から「和みのある暮らし」を創造しようとしているのではないかと感じた。



曹でざいんでは、父親の一空(いっくう)さん、母親の加胡(かこ)さん、妹の未斗(みと)さん、そして曹太さんの4人全員で作品を創りあげている。
曹太さん、未斗さんが、自然と書の世界に引き込まれたのには、ご両親の影響が大きかったようで、いまどきでは珍しい書道一家だ。
最近では、妹の未斗さんが、猫の目をモチーフにしたアクセサリーのデザインを手がけているとか。

独特の技法も

曹でざいんでは、文字だけの表現ではとどまらない。
なにげに壁にかけられていた、銅板に浮き出た七宝焼もまた作品の一つだ。
未斗さんが15歳の時に、七宝焼の繊細さ、独特の光沢に魅力を感じ、創作を手がけはじめたそうだ。
基本的には、完成をイメージしてデザインを起こし、厚さ0.8mmほどの銅板に特殊な薬剤をかけて炉で焼くと、模様が浮き上がってくるのだが、化学反応によって、イメージを超えたデザインが現れることも多々あり、楽しませてくれるとのこと。
そして、気になるその制作方法は?と聞くと・・・

「企業秘密です。。。」

だそうだ。



作品集の中には、テーブルウェアのデザインも手がけている。
洋食器にさえ和のテイストを施し、まさに「暮らし×和」をおりなしている。
曹でざいんによる空間デザインも、今後の視野として展開していくというのだから、期待されるところだ。

すべてオーダーメイド

曹でざいんでは、オーダーで字をガラスや表札などに入れてくれるとのこと。
ネットショップでの販売も展開している。
日本の贈り物としても、喜ばれるのではないでしょうか。

曹でざいん HP
曹でざいん ネットショップ